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Interview with Jun part II : UBCを経て事業会社でエンジニアとして働くまで

Interview with Jun-san: キャリア編、UBCを経てエンジニアとして働かれるまでの軌跡

皆さんこんにちは。Kagawaです。

さて今回はJunさんのインタビュー企画Part IIを公開していきます!

Junnさんの前回のインタビュー記事はこちらから!

今回はJunさんがUBCを卒業後、現在事業会社でエンジニアとして働かれるまでの経緯にファーカスを当てた、インタビューをシェアしていきたいと思います!

ボスキャリでの就活の様子や、現在の仕事内容、エンジニアとして将来のキャリアビジョンまでかなり踏み込んだ内容となっております!

それではお楽しみください。

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前回に引き続き、会社のカフェテリアでインタビューに応じてくださいました!改めましてよろしくお願いいたします!

 

データアナリティクスに興味を持つまで:UBCの授業と農家でのインターンを通じてデータアナリストへの関心を持つ

ーUBCに入ってから、何か印象に残っているクラスはありましたか?

Jun

1つしかなくて(笑)、FRE385(Quantative Metthods for Business and Resource Management)というクラスが印象に残っています。その授業では学部生が半分、残りの半分を院生が占めるクラス構成で、ロジスティクスやデータを学ぶカリキュラムでした。その中でも僕が特に興味を持ったのは授業で用いた、Tableauというビジュアリゼーションソフトウェアで、エクセルのグラフのめちゃくちゃ良いバージョンを作れるソフトでした。そのデータを高度なレベルで可視化することを通じて、データサイエンスという領域に興味を持ち始めました。その後、データサイエンスというものをググって、調べていくうちに、プログラミングや統計学などの必要な知識があるんだなあというのを知りました。

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ーその授業をきっかけに自発的に勉強したい領域が広がったのですね。

Jun 

そうですね。後元々のきっかけとしては、UBCに編入する直前の夏に農家でインターンをしていたことがあります。農家の方々って重労働で、毎日本当にキツくて、労働環境も普通に見れば良いとは言えない。

さらに、彼らはペーパーワークも多くて、所謂データというものに触れる機会はあります。ですが、近くでみてそのデータを効果的に効率的に扱ってるとは思えませんでした。そうした背景もあって、いつかは農家にとっても効果的に・効率的にデータに対してアプローチが出来るようになれば良いなという想いが芽生えたことも原体験としてあったと思います。

ー農家などの現場とデータが繋がればさらに有意義になりそうですね。

Jun 

まあそうした経験を経てからFRE385という授業を取ったので、タイミングとしては良かったと思います。

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ーその授業を受講後もデータサイエンティストへの興味を持たれていたのでしょうか?

Jun

そうですね。ただその時点で、UBCで履修しなければいけない単位はそんなになかったので、大学の授業を受けつつ、自分でオンラインコースのプログラミングや数学、統計学の授業を取るという形を取っていました。

ーなるほど。でもそのきっかけとしてはUBCのFRE385という授業があったのですね。

Jun  

そうですね。でもデータサイエンスに興味を持った時点で、大学辞めたいと思っていましたけど(笑)。ただ、親に投資をして貰っている以上、卒業はしようと思ってUBCは卒業しましたけど。

就活とキャリア:ボスキャリを通して現在の会社を選ぶ

ーデータサイエンティストへの興味を持たれた中で、就活に臨まれたと思うんですが、その過程において、カナダか日本のどちらで働くかという点で、悩まれた点はありましたか?

Jun 

カナダに残ろうという考えはあまりなかったですね。主に2つ理由があって1つは北米ではスキルベースで企業は採用をします。その中で、自分が興味を持っていたデータサイエンス・プログラミング・機械学習などの面において、多くの学生が4年間フルでそういった分野を勉強してから、ジョブにアプライするので、学部の途中からそうした分野の学習を独学で始めた自分にとっては、不利であり、彼らに勝てないと思ったので、カナダに残ることはあまり考えなかったです。

それに対して、日本のマーケットはエンジニアに対してもポテンシャルで採用するので、そうした日本の門戸の広さが2つ目の理由としてありますね。

後はブラック、ブラックと叫ばれる日本のマーケットで一度くらいは働いてみたいという好奇心もありましたね(笑)。

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ーなるほど(笑)。そうした就活の軸がありながら、日本の企業の選考を受けられたのですね。業界としては、データサイエンスやプログラミングなどの分野にピンポイントで絞られていたのでしょうか?

Jun 

そうですね。やりたいことははっきりしていたので、かなり会社を絞って、就活に臨みました。ただボスキャリにそうしたエンジニア職やデータサイエンスを募集要項に盛り込んだ企業は多くなかったので、行きたい会社を探すのはそれなりに苦労しましたね。最終的に受けた会社は3社程度でしたね。

ー差し支えなければどういった業界の会社を受けられていたのでしょうか?

Jun 

IT系のコンサルと、総合系の中でもIT分野に力を入れているファームと現在所属している会社を受けましたね。

ー現在エンジニアとして働いているJunさんですが、どうして当時コンサルも受けられていたのですか?

Jun 

コンサルの中でもIT分野を強化しているファームはあって、その中でも特にアナリティクスのような部署にも興味を持っていたので、選択肢に入れた感じですね。

ー最終的にオファーを貰ったのは、現在所属される会社と総合コンサル会社だったそうですが、その時点でどちらにしようか悩まれましたか?

Jun 

いや全く悩まず、今いる会社にしました(笑)。

ーえ(笑)。どうしてですか?

Jun

総合コンサルの方は確かにIT・データ関連の部署はあるのですが、配属に関して聞いたときに、「確約はできない」みたいな感じだったので、それだったらエンジニア職として確実に働ける今自分が所属している会社にしようと思いました。

コンサルではなく事業会社でエンジニアとして働く理由

ーなるほど。他に何か御社で働く上で、決め手のようなものはなかったでしょうか?

Jun

う~ん。僕の場合業界や事業に対して、何かこれをやりたいというのは特になくて、それよりは機械学習などの業界問わず汎用性が高いスキルを早く身に付けられる環境に身を置きたいと思ったので、会社の事業内容に対して、特にこだわりはなかったです。

ーそうしたスキルを身に付けられるプラットフォームが御社にはあったという感じですか?

Jun

そうですね。

ーJunさんご自身が習得したいスキルをその会社で出来るかどうか、どのように見定めていかれたのでしょうか?

Jun

面談を通して、それぞれの部署の方と話していると、仕事のイメージがしやすかったと思います。具体的には二次面接までは現場の社員の方との面接だったので、そこで自分が学びたいことができる環境かどうか、判断していった感じです。

後は技術面接といって、面接の際にはある程度知識を求められる部分がありました。例えば「正規化ってなんですか?」のように、技術系の質問もされたので、自分の知識と照らし合わせながら、そうした具体的な技術系の知識と業務での汎用性にどれだけ関連性があるかも、面接を通して合わせてみていましたね。後は単純に、面接官の知識の理解度の高さに対して感心して、ここで働きたいと思いました。

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ーなるほど。面接の過程において、その会社で自分が学びたい技術ができるかどうかの理解を深めていかれたのですね。御社の面接時に留学した理由や背景を深く問う質問などはありましたか?

Jun

いえ、得にそれに特化したやりとりというのはなくて、僕自身もこのインタビューで話したような経歴を簡単に述べるに留めていて、決して留学自体の経験を誇張するよう話さなかったです。それよりも先ほどもお話した、農家でインターンを経験して、そこで現場での問題を認知して、その問題を将来解決したいという気持ちから、データアナリティクスの分野に関心を持って、自分でオンラインコースを受講して理解を深めていきました、というような話の流れや、データアナリティクスに関心をもった経緯を意識的に話すようにしていました。

ーグローバルという観点から、現在職場でどれくらい英語を使われていますか?

Jun

今はたまたま同僚の中国人が隣の席に座っていて、彼とは英語で話していますね。後は10月入社は自分も含めて4人いるのですが、彼らとも部署は違えど、会社であったときは英語で話しますね。

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ーボスキャリでは会社のグローバル性とかはあまり気にせず受けていられていましたか?

Jun

気にしていなかったですね。そもそも僕のスタンスとしてファーストキャリアはそこまで神経質に拘らなくても良いという立場なので。学ぶことを学べたら、期間を問わず次のステップに進めばいいという姿勢ですね。

ただ会社を選ぶ上で、自分の様なエンジニア職の場合は、とにかく良い人・チューターが会社にいるかは、大切なことだと思います。僕の周りにも東大や東工大の院卒の人が、特定の社員の人が働いていて、その人の元について、働きたいという理由で同僚になった人たちもいますから。そういう人達の元について、自分が学びたい分野を体系的に学びながら、働ける環境を探すことは大切だと思います。それが出来るかどうかで、成長曲線も大きく変わってくると思います。

ーJunさんのように、働くうえでやりたいことや学びたいことがはっきりしているのは、素晴らしいと思いますし、純粋に尊敬できますね。

Jun

そうですね。僕の場合はやりたいことがはっきりしていたので、その会社を受ける上でも、「なんでうちの会社で働きたいの?」という質問には、わりとはっきり答えられましたね。ただ「なんでA社じゃなくてうちの会社なの?」みたいな質問には、少し苦労したと思います。まあでも、ボスキャリではそもそもエンジニア職を募集してきている会社は少なかったので、そんなに志望動機の部分では苦労しなかったですね。

現在の会社での仕事内容

キャリアに関して大変参考になるお話をありがとうございます。では話題を少し変えて、今Junさんが現在されている仕事の内容を簡単に教えて頂けますでしょうか?

Jun

う~ん。難しいな(笑)まずやっている分野を言うと、ネットの広告枠です。ネットをしていると分かると思うのですが、ページの右側や上の部分に企業や商品の広告が出ていますよね。その広告は、それぞれのユーザーによって貼られる広告が変わるのですが、各ユーザーにどんな広告を提供したら、クリック率が高くなるのかということを私の部署の業務内容としてあります。会社としては、その広告枠をまとめてごっそり買って、その仕入れた広告枠の中で、それぞれのユーザーに合わせた広告を提供することをしています。

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ーネットでの広告枠を買うって単価でいうと幾らくらいの世界なんですか?

Jun

1つ1つは0.001円みたいな世界なので、会社としてはかなりの数の枠をまず仕入れます。その仕入れた広告枠を、ユーザーの趣味や志向に対応した形で広告を搭載して、ユーザーがその広告をクリックするまでのことを、コンバージョンというのですが、会社としてはそのコンバージョンの率を高めることが収益に繋がるんですね。

僕個人の仕事としては、会社としてあらかじめ予測・期待しているコンバージョン率と実際のコンバージョン率がどれくらい乖離しているのかを、数値化・分析するのが自分のメインのタスクです。

ーそのタスクにおいて、Junさんが前から興味を持たれていた機械学習は使われますか?

Jun

いえ。ほとんど使わないですね。今求められているスキルは、基本的に分析スキルです。ただそれもやりたかったことの1つですので、充実はしていますね。機械学習に関しては、入社した当初は自分で学習を進めてうたのですけど、実務レベルにおいては、パッケージというすでにアルゴリズムが書き込まれたフレームワークを少しいじれば、機械学習自体はできてしまうんですね。

ただそれでは、機械学習の根本の仕組みが分からないままなので、個人的に機械学習に必要な行列の計算などの線形代数の数学の知識を、業務と並行して学習をしていますね。

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ー仕事をしながら、そうして自己学習の時間を設けるのは素晴らしいことですね。

Jun

というより、日々キャッチアップしていかないとエンジニアとして生き残るのは厳しいと思います。今の時代かなり頻繁に様々なことがアップデートされるので、常に勉強は必要です。例えば、前までに実行するのに10秒かかっていたコードが、2秒に短縮されるコードにアップデートされたとする。そうすると勉強をしていないエンジニアと日々勉強しているエンジニアでは8秒も差が出てしまう。そういうことが頻繁に起きるので、日々の学習は欠かせません

後は会社に所属していると、チームで学習を進めることができるので、その点は効率的だと思います。自分のメンターなどが、勉強するべき内容を厳選してくれるので、そうした学習面での効率化という意味では、フリーランスとして働くよりも、効率的だと思います。

今後のキャリアビジョン:エンジニアとして農業への想い

ー本日は貴重なお話をありがとうございました。最後にJunさんのエンジニアとしての今後のビジョンをお聞かせいただきたいです。今後エンジニアやデータアナリストとして、元々強い関心を持たれていた農業へ、還元したい気持ちはお持ちですか?

Jun

 農業へ還元したい気持ちはあります。ただ今の段階ではまだまだだと思っています。後農家に関して付け加えるのであれば、もしデータ分析などを農家とコラボして落とし込もうとしても、中々農家一軒ごとに、契約をするというのは難しいと感じています。

これは僕自身の山梨の果樹園でのインターンを通して感じたんですけど、日本の農家は規模が大きいものでも、年間で1000万円ほどの売り上げしかない現状で、そうした農家はコスト面的に、データアナリティクスなどを採用するメリットはあまりないんですね。そうであるならば、僕はどちらかというと国とタッグを組んで、システムを作り上げて、国からサービスを提供するほうが、農家にとってメリットがあるし、我々からも一軒ずつ契約するよりも、圧倒的にやりやすいと考えています。

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ー農家への想いを持ちながらも、エンジニアとして日々精進されている姿を心から尊敬しております!本日は長い時間ありがとうございました!

おわりに:編集後記

いかがでしたでしょうか?

今回はJunさんが現在所属される会社で、エンジニアとして働かれるまでの経緯を中心にお伺いした内容をシェアさせていただきました。

UBCでの授業と日本の農家でのインターンを通じて持たれたデータアナリティクスへの関心を、具体的にキャリアに落とし込んで望まれた就活スタイルは、多くの留学生やエンジニアに関心を持たれる方々に参考になる姿ではないでしょうか。

また、私自身Junさんのエンジニアとして常に成長していきたいという向上心と、日本の農業への熱い想いを、今回のインタビューを通じて強く感じました。

改めて、お忙しい中今回のインタビューに協力してくださったJunさんに、この場を借りて感謝申し上げたいと思います!

今後とも他の方々のインタビュー企画を随時更新していく予定ですので、お楽しみに!

それでは今回はこのあたりで。

                                                                                                     See you guys next time !